Information Technologyの略語である「IT」は、コンピュータやインターネットを使った“情報技術全般”を意味します。このことから「ITエンジニア」は情報技術に精通したエンジニアの総称であり、主な仕事は、情報技術の知識やスキルを活かしてシステムやITインフラの設計・構築・運用などになります。
また、「ITエンジニア」が仕事に従事する分野や領域は、パソコン本体・周辺機器の開発、情報システムの構築・運用・保守、ハードウェア(各種デバイス)、ミドルウェア(OSやWebサーバ)、アプリケーションなどのソフトウェア、通信インフラ(ネットワーク・通信・サーバ)、Webサービス……など、活躍フィールドも多岐にわたります。
今回は、「ITエンジニア」をめざしている人向けに、「ITエンジニア」に向いている人の適性・タイプを5つに分けて解説します。
試験勉強に取りかかろうと思ったとき、勉強の準備のために友達からノートを借りてコピーを取ったり、教科書を読み返す手間や時間を考えると、何もしていない時点で「やりたくない」「気が進まない」という気持ちになることがありますよね。そんな気持ちが募るほど腰が重くなりますが、こうした心理状態を一言で表すと「面倒くさい」になります。
最近は、「面倒くさい」の“う”を発音しない「めんどくさい」や、さらに短縮した「めんどい」という使い方が一般的になっています。でも、言葉は変わっても「面倒くさい」という気持ちに変わりはないようで、いい加減な怠け者ほど、日常生活のなかで「めんどい」と頻繁に感じているようです。
実は、日常生活のなかで「めんどい」と感じる回数は、人によって大きく差があり、自己中心的、だらしない、わがまま、怠けもの、快楽主義の人ほど「めんどい」と感じることが多い傾向にあります。さらにこうしたタイプの人は窮地に立たされたときや、自分の非を追及されたときに「めんどい」を連発し、その場から逃げようとします。
一方、日頃から前向きに物事に取り組む習慣がついている(きちんとした生活を送っている)人は、「めんどい」と感じる機会が少ない傾向にあります。こうした人は、そもそも窮地に立たされることも少ないのですが、たとえ窮地に立たされても、その状況を「めんどい」と感じることなく、友人や知人に相談するなどの最善の方法をとることで、的確に状態を改善しようと努めます。
このように、ふだん何気なく発している「めんどい」のひとことは、その人のタイプをはかるバロメータにもなるのです。
もしあなたが、一日のなかで「めんどい」と感じることが3回以上あるとしたら、改めるべきことがたくさんありそうです。「めんどい」「やりたいくない」「あとまわしにしたい」「さぼりたい」と感じたら、その後ろ向きの気持ちをグッと心のなかに封印して、いつもあとまわしにしていることに取りかかってみましょう。前向きに物事に取り組むことが習慣化すれば、自然と生活態度や考え方が前向きになるはずです。
2000年から小学校でプログラミング授業が必修化されていますが、文部科学省がプログラミング教育に力を入れるようになった理由は、「プログラミング的思考力を鍛える」「テクノロジーの仕組みへの理解を深める」「ITの活用力を育む」「IT社会に積極的にかかわる人材を育む」の4つとされています。
小学校での必修化に伴い、「プログラミング的思考力」というキーワードが認知されるようになってきましたが、文部科学省が定める「プログラム言語的思考」の定義や考え方はまだ広く浸透していない状態にあります。そのため、現段階ではプログラム言語的思考を構成する要素は、スイング(揺れ動く)状態にあるのも事実です。
とはいえ、思考が柔軟な小学生がプログラミングの授業を受けることで以下のような利点が得られることもわかり始めていて、こうした利点は「プログラム言語的思考」に基づくものとされています。
【プログラム言語的思考で得られる利点】
●理解力、説明力、説得力や交渉力などのコミュニケーション能力が高まる
●物事の本質を見極められるようになり、課題発見力、課題解決力が高まる
●相手の意思や思い、状況を的確に判断できるようになる
●論理的思考で家事をとらえられるようなり、生活能力が高まる
●試行錯誤を繰り返しながら、最適な“解”をみつけるチカラが身につく
●デジタル機器やITツールのリテラシーが高まる
●自分で考えながら行動する力が身につく
●常識にとらわれない斬新な発想力や、創造力が身につく
※「プログラミング的思考力」については、「こちら」の記事でもご紹介しています。
あなたには、人に自慢したくなるような得意なことがありますか? エンジニアは幅広い専門的なスキルと、プロジェクトなどで多くの人と協働する機会が多い職種柄、一点突破ともいえる得意なことをもつ人も、周囲から評価・注目される対象になりえます。
もしあなたが「特別な才能は思い当たらないし、一芸にも秀でていない……」と考えていたとしても、自分では気づいていないだけで、無理なく自然にできてしまっていることや、周囲から評価されることがきっとあるはずです。
自分だけの“強み”をもつエンジニアほど、“強み”によって培われた自信をバネに、意欲的により高い能力を身につけていく傾向にあるため、得意なことがない人は、まずは、どんなことでもいいので、得意なもの、強みをみつけ、それを明確にする作業に取りかかってみましょう。
●ゲームでハイスコアを出した
●2つ以上の資格を取得している
●料理が得意
●手先が器用で、好きなことなら何時間も集中できる
●体力に自信がある
●世界遺産めぐりなど、年に1〜2度旅に出かける
●語学に自信がある
●学生時代に学園祭などのリーダーを務めた
●趣味がたくさんある
●楽器・書道・絵描きなどで得意なことがある
●悪口や陰口を言わないようにしている
●好きな選手やチームの応援に情熱を注いでいる
●推しのイベントに必ず参加している
●誰とでも仲よくできる。コミュニケーション力が高い
あなたがプログラミングなどの特定のことに興味があり、一人でコツコツひとつの分野を究めるタイプであれば、特定領域で強みを発揮するエンジニアになれる素養をもっていることになります。
反対に、好奇心旺盛でいろいろなことに興味があり、たくさんの人と一緒に何かをすることが好きなタイプの人であれば、技術や専門性を究めた後に、技術チームを取りまとめるマネジメント職に就ける素養をもっているといえます。
ITエンジニアのキャリアパスは、以下の2つに大きく分けることができますので、自分がどちらのタイプであるかを早い段階で見極めて、自分のタイプにそってキャリアアップすることで、無理のない成長軌道を描くことが可能になります。
●「得意なことが、仲間と一緒に取り組む傾向が強い」人の場合
・キャリアアップ
→技術とマネジメントスキルを活かして管理職で力を発揮するゼネラリスト
●「得意なことが、一人で集中する傾向が強い」人の場合
・キャリアアップ
→技術領域を究め、エンジニアとして、開発の最前線に立ち続けるスペシャリスト
仮にあなたが「飽きっぽい人」で、ひとつのことを3日続けられない人であれば、その“短所”を「新しいことにチャレンジするタイプ」と転換することができます。同様に、「プレッシャーや本番に弱い」という短所 を、「繊細で、ひとつのことを慎重に考える」という長所に転換することが可能です。
このように、得意なことや強みを明確にしたり、短所を長所に置き換える作業に取り組むと、その強みが仲間と一緒に取り組む傾向が強いものなのか、あるいは一人で集中する傾向が強いものなのかが見えてくるはず。自分のタイプを知ることができれば、自然とキャリアデザインも描きやすくなります。
SNSからは日々膨大な情報が発信されていますが、それらの情報の信頼度を見極め、真実と虚偽を選別していく情報収集力と情報編集力は、ITエンジニアだけでなく、ビジネスパーソンすべてに共通した重要なスキルでもあります。
逆に、スマホから得た情報に一喜一憂し、思いつくまま感情的な言葉を相手に投げつけたり、信頼性の低い情報を発信・拡散してしまう人は、ITエンジニアの素養が備わっていない可能性が高いといえます。
例えばシステムエンジニア(SE)は、クライアントとのすり合わせをとおして実現可能な要求事項を整理し、そこからシステムの要件定義を定めていきますが、こうした業務では正確な情報を収集し、そこから、情報やデータを編集する作業を繰り返しながら、クライアントに最適なシステムを見定めていきます。
他領域のエンジニアであっても、SEと同様に、データや情報を冷静に分析するチカラが求められますので、日頃からSNSなどで情報を収集する際に、「ん? これって変だよね」「これって、違うよね」と冷静に整理・分析できる情報リテラシーを身につけるように努めておきたいもの。
ときに、情報やデータを操る者が時代を操る……といわれるデジタル社会では、眼の前にあふれるネットニュースやSNSなどの膨大な情報に踊らされることなく、的確に情報を取捨選択し、そこから冷静に分析し、正しくアウトプットするスキルがエンジニアに求められる必要最低限のスキルになることを踏まえておきましょう。
—— ITエンジニアをめざすのであれば、コンピュータ、インターネット、ネットワーク、サーバ、アプリケーション、Webなどの基礎的な知識を身につけておいて損はありませんが、みずみずしい感性で柔軟に物事を吸収する青春時代に、技術スキルの習得に力を入れ過ぎてしまうあまり、友人や恋人とつきあう時間を減らすなどして、成長の機会を減らしたり、視野が狭くならないようにしたいもの。
エンジニアの仕事は様々な人たちと協働する機会が多いため、技術スキルとコミュニケーション力の両方が重要なスキルになります。そのため、学生時代から気の合う仲間やバイト先の人たちをはじめ、年齢、性別、仕事など自分とは環境が異なるたくさんの人たちと楽しい時間を過ごしながら、世の中で一般的とされるマナーや常識、金銭感覚などもしっかり養っておいてくださいね。
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